江戸時代に隆盛を誇った芝居小屋

亀屋座は江戸時代に甲府にあった芝居小屋です。1764(明和元)年に地元商人の亀屋与兵衛が光沢寺の境内に仮小屋を作ったのが始まりで、1803(享和3)年に現在の若松町に小屋を新築し、芝居興業を行いました。
間口11間(約20m)、奥行20間(約36m)という規模の大きさに加え、上演品目によって関東八座に数えられた芝居小屋でした。五代目市川團十郎は、この亀屋座で初の地方興行を行ったほか、坂田藤十郎や岩井半四郎などの往時の大スターも公演に訪れています。
歌舞伎だけでなく、それ以外の芸能も上演されており、甲府の文化発信の中心的存在だったと言えます。当時は「甲府で流行った芝居は江戸でも流行る」と言われており、甲府の人々の芝居を見る目が優れていたことが伺えます。
歌川国芳の「甲州一蓮寺地内正木稲荷之略図」には、背景に何本もの幟が立っている大きな建物が描かれており、亀屋座を描いたとされます。また、十返舎一九の『甲州道中記』の中の「身延山道中ノ記」にも亀屋座と思われる記述が見られます。

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