台ケ原宿(だいがはらしゅく)

2つの川に挟まれ、宿場町の風情を残す街並み

江戸方面から見て韮崎宿の次の宿で、日本橋からちょうど40番目にあたります。江戸時代から明治時代は本陣、脇本陣のほかに14軒の旅籠が並ぶ宿場町として賑わいました。宿の長さは約1kmで当時は道に白砂が敷かれ、街道沿いに植えられた松の並木が、美しい風景を作り出していたそうです。
今も当時の面影をとどめる建物が多く残され、「北原家住宅」の建物は地元の銘酒「七賢」を造る山梨銘醸という酒造会社として現存しています。また、旅籠の一つ「まるや」の建物は、明治時代から外観はそのままに改装され、老舗和菓子屋「台ケ原金精軒」となっています。
歴史を踏まえた宿場町の景観保全が行われていることから、台ヶ原宿がある台ヶ原から白須までの旧甲州街道は1986(昭和61)年に「日本の道100選」に選ばれたほか、北杜市が選ぶ「北杜24景」の一つにも選ばれています。
2000年代に入ってからは毎年10月中旬に「台ヶ原宿市」が開催されるようになり、第19回を迎えた2019(令和元)年には300店もの出店で賑わいました。2020、2021年は新型コロナ感染拡大に伴い、開催中止となっています。
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甲斐駒ヶ岳と川、そして台ヶ原: 台ケ原宿は、釜無川・尾白川が交わる地点の上流にあります。ここは、甲斐駒ヶ岳から尾白川が運ぶ、真っ白な石英質の砂が積もった扇状地で、2つの川に削られて河岸段丘状になっています。甲斐駒ヶ岳の花崗岩質の地層で濾過された水は、米や酒を作るのに適しています。「台ケ原」という地名は、洪水で荒れた「大河原」だったからという説と、尾白川右岸から見ると台地状に見えるからという説があります。

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