秩父往還と間道の分岐道標が残る寺院

春日居町別田(べつでん)地区に鎮座する曹洞宗の寺院です。春には参道脇の枝垂桜が見事な花を付けます。
敷地外から山門に向かって右手、寺名を記した石柱の背後に、現在も別田三叉路に残る道標とは別の、もう1基の道標が移設されています。中央には「観世音」、右側には「右はきハらかハうら」、左側には「左やはた にしふ」と刻まれています。「はきはら道」は萩原地区を通過する青梅街道の別名、川浦道は川浦地区を通過する秩父往還の別名です。「やはた道」は旧八幡村を通過する秩父往還間道の別名であり、また西保は秩父裏街道の途中にある地区で、秩父裏街道は「西保海道」とも呼ばれていました。
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<参考資料>
『山梨県歴史の道ガイドブック』歴史の道紹介
『広報ふえふき』笛吹市探訪シリーズ第20回 春日居町 別田地区(2006年11月発行)

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塩山松里 歴史の道を育てた水の路

笛吹川から水を導くセギの知恵と、豊かな水に支えられた文化・暮らしを見つめる

国指定名勝である恵林寺庭園は、後に京都の龍安寺庭園、西芳寺(苔寺)庭園を作庭する禅僧、夢窓疎石56歳当時の作とされ、甲斐国内で造営された寺院庭園に大きな影響を与えました。700年の時を経た壮麗な築山と池泉が、四季折々の魅力を伝えてくれます。この池に湛えられた水は、どこからやって来るのでしょうか。甲州では用水路を「セギ(堰)」と呼びますが、ここ塩山地域には笛吹川から取水する3本(藤木、小屋敷、井尻)のセギが縦横に張り巡らされ、河岸段丘上の土地に豊かな水を供給しています。恵林寺庭園に用いられる水も、小屋敷セギから取水されたものです。
セギは塩山地域にすだれ状の水路網を形成し、水路の両脇に農家が建ち並ぶなど、この地の景観を形作る骨格となっています。その水は人々の生活・生業を支えるだけでなく、庭園に代表される寺社文化の成立基盤ともなりました。
約13km / 約7時間 / 電動レンタサイクル利用

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