笛吹川を見下ろす段丘端の神社

この地域から進出・活躍した甲斐源氏、安田義定を安田稲荷大明神として祀る神社です。境内には丸石道祖神のほか、かつての井尻セギの流路跡が残ります。段丘の端部に立地しており、境内西側は笛吹川に向かって落ち込む崖線となっています。
安田義定は現在の山梨市、八幡荘内の安田郷を本貫(氏族発祥の地)とした甲斐源氏です。小田野城を山城とし、現在の峡東地域を武田氏と二分し治めたと伝わります。
1180(治承4)年、富士川の戦いに源氏方として参加し、源平合戦では源義経とともに平氏の追討に参加し功を立てました。しかし1194(建久5)年、讒言により頼朝の嫌疑を受けて鎌倉を追われ、自刃したと伝えられています。
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井尻セギ:安田稲荷神社に向かう途中、集落内の道に沿って流れる用水路が、現在の井尻セギです。この地域で笛吹川から取水する藤木セギ、小屋敷セギ、井尻セギの3本のセギうち、井尻セギはもっとも南側に位置します。隣接する旧塩山地区のほか、山梨市域まで水を供給しています。文献上は1708(宝永5)年の古図面に取水口の記録が残りますが、水路が条里制に沿うことから、律令時代(7世紀)にはセギが存在していたとも考えられています。

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