大嶽山那賀都神社(だいたけさんながとじんじゃ)

ダイナミックかつ荘厳な山岳信仰の霊場

西沢渓谷の近くにある大嶽山那賀都神社は、717(養老元)年に国師ヶ岳の天狗尾根にある岩窟から遷座されたと伝えられる神社です。日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の東征に始まり、7世紀後半の山岳修験者、役行者(えんのぎょうじゃ)が道場として開いたとされる山岳信仰の霊場で、江戸時代から昭和初期にかけては大嶽山信仰の中心として栄えました。
1877(明治10)年竣工の本殿は入母屋造りで、左右の両側面には一間の向拝をつけ、さらに各面の軒先には軒唐破風が付いています。また都留市谷村の名匠、福田俊秀の手による無数の彫刻が施されているのも特徴です。
大嶽山の麓から神社までは徒歩20分、参道は約1㎞に及びますが、渓流の瀬音や森の木漏れ日などが楽しめる神社として、現在も多くの人が訪れます。
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講社:講社とは、同じ神仏を信仰する人々で結成された団体のことです。特に江戸時代中期以降は、講社ごとに信仰する神社や寺院、あるいは霊山、霊場などに詣でる参拝講が盛んになりました。伊勢神宮に参拝する「伊勢講」、富士山に登拝する「富士講」などが有名ですが、地域ごとにさまざまな講がありました。秩父往還沿いの地域では、秩父地方の三峯神社に詣でる「三峯講」が広がり、村ごとに「三峯さん」の講が組織され、三峯神社の「お犬さま」の札を貼っている家庭が多く見られたといいます。現在も山梨市や甲州市においては、小規模ながら三峯信仰の風習は残っています。

役行者(えんのぎょうじゃ):7世紀後半の山岳修験者で、日本固有の修験道の開祖とされる人物です。役小角(えんのおづぬ)の名でも呼ばれます。大嶽山那賀都神社の他にも、役行者が開いたとされる寺社は多く、山岳仏教の各山でも多くの伝説が残されています。甲府市の円楽寺は役行者によって草創されたと伝わる寺院で、本堂には平安時代末期の作とされる役行者像が安置されています。

大嶽山信仰:古来、大嶽山那賀都神社は一般庶民の諸願成就の霊場として知られ、遠方からも多くの参詣者が訪れました。山梨市にかつてあった東後屋敷村には遥拝所が設けられていた記録が残っています。そのほか各地に祭祀碑が作られただけでなく、講社も組織されました。

〈参考資料〉
『歴史の道調査報告書』秩父街道
『やまなしのお寺と神社』
『勝沼のブドウ畑及びワイナリー群の文化的景観調査報告書』

〈参考サイト〉
大嶽山那賀都神社
https://nagato-jinja.jp/

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