大宮五所大神(おおみやごしょおおかみ)

村芝居を描いた浮世絵風の絵馬が珍しい

栗原宿の北側で、問屋場や本陣、脇本陣といった宿場の中心施設にも近い位置にあります。かつては五社明神または大宮五所権現とも呼ばれていたようです。
社殿が舞台造りになっており、甲府に行く前の役者たちはここで芝居をして評判を確かめたといわれています。
拝殿には多くの絵馬が掲げられています。中でも特徴的なのは、1772(安永元)年に奉納された、村芝居の一場面が浮世絵風に描かれた横165cm、縦94cmの絵馬です。
絵馬の裏に書かれた記録から、栗原の村芝居仲間14名が二貫文を勧進し、この地に立ち寄った江戸絵師に製作を依頼したことがわかります。絵師の名前は不明ですが、この時代の浮世絵風の芝居絵馬は全国的にも珍しく、民間信仰を知るうえで貴重なものです。現在は山梨市の文化財に指定されています。
このほか、境内には樹高12mのクロマツ(市天然記念物)、その根本に子どもの成長を祈願した「子育て石」、明治時代の大火事で焼けたケヤキの大株などがあります。
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絵馬は神の乗り物であるとされた生きた馬を奉納することに変え、絵にかいた馬を寺社に奉納したことが始まりだといわれている。のちに個人の願い事を祈願するために絵馬を使用するようになり、民間信仰江戸時代には馬だけでなく仏体や合戦、歌舞伎も描かれるようになった。

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