北原家住宅(きたはらけじゅうたく)

甲斐駒ヶ岳の水を使った銘酒「七賢」の造り酒屋

江戸時代末期に建てられた、切妻屋根の大型町屋。北原家は、信濃(現在の長野県)の高遠の造酒屋から分家して台ヶ原に移住し、1750(寛延3)年から酒造業を開始し、現在も日本酒「七賢」などで知られる「山梨銘醸」として酒造を続けています。「七賢」の由来は、北原家住宅母屋の新築時に、竣工祝いとして高遠城主の内藤駿河守に贈られた「竹林の七賢人」の彫刻欄間です。
1880(明治13)年の明治天皇巡幸の際には、この欄間がある奥座敷が天皇が宿泊される行在所(あんざいしょ)に指定されました。この行在所は1933(昭和8)年から終戦時まで文部省(現文部科学省)の史蹟に指定され、その間は注連縄が張られ家人も自由に出入りすることができなかったそうです。現在、行在所は完全予約制で公開しています。
酒造りに使用している水は、甲斐駒ヶ岳の花崗岩質の地層で濾過された伏流水。信州高遠で酒造業を営んでいた初代北原伊兵衛が、甲州街道を通って江戸を往復する途中、この水の素晴らしさに惚れ込んで台ケ原の地に移住してきました。酒蔵内にはその伏流水を採水している場所があり、飲むこともできます。周辺には酒造りに使用している酒米田が広がります。
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伝奏蔵(でんそうぐら):米を貯蔵していた敷地内の蔵を改装し、2021(令和3)年6月に「伝奏蔵」をオープンしました。伝奏蔵では、北原家が所有する貴重な美術品や明治天皇ゆかりの品々、郷土資料などを季節ごとに入れ替えて展示しています。見学は完全予約制で、案内スタッフが同行して解説を行います。

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