町中に張り巡らされた水路(まちなかにはりめぐらされたすいろ)

サウンドスケープが楽しい旧道沿い

西桂町内には網の目のように水路が張り巡らされ、いつ訪れても、澄み切った豊富な水が勢いよく音を立てて流れています。この地域は、町や田畑よりかなり低い場所を桂川が流れており、農業用水や生活用水を確保するためには、上流に堰を設けて水路を築く必要があったのです。
大正中期から昭和戦前期にかけて、西桂町ではそれまでの手機に代わって水力を動力とした織機が使われるようになりました。同じ時期、郡内の他の地域でも動力織機への転換が進みましたが、他では主に電力が利用されたのに対して、西桂町ではこの豊かな水を活用して水車を動力とした点が特徴でした。
「宿通」と呼ばれていた旧道は、幕末から近代にかけて、横浜を中心とした糸や織物商売の進展に伴い、織物問屋の集落として発展しました。旧道沿いには今も現役の機屋があり、道を歩いていると、用水路の水音に混ざって時折織機の音が聞こえてきます。
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・小沼の旧道の景観:小沼の旧道沿いには土蔵が多くみられる。湿気に弱い絹織物を適切に保管し、また火事から守るためには、土蔵が最適だった。また、槙田商店の建物は、明治のはじめ頃に上吉田の御師の家を移築したものと伝えられている。

〈参考資料〉
『西桂町誌 本編Ⅱ 山・川・織物と生活文化史』
山梨てくてくvol.3(山梨県広聴広報課)
https://www.pref.yamanashi.jp/koucho/tekuteku/documents/tektek_vol03.pdf

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