北口本宮冨士浅間神社(きたぐちほんぐうふじせんげんじんじゃ)

富士登拝の起点となる神社

御師町を抜けた富士道は上宿交差点で東に左折します。その先にある杉木立におおわれた社が北口本宮冨士浅間神社です。祭神は、木花開耶姫命、彦火瓊々杵尊、大山祇神。富士登拝の起点であり、富士講信者たちは境内奥の登山門から富士山頂を目指しました。
1733(享保18)年から、江戸小伝馬町の村上光清を中心とする村上講により境内の社殿の大修理が行われ、この時に境内は現在に近い形に整備されました。境内には村上講の講印である「卍」がいたるところに刻まれています。
富士山の神である祭神の木花開耶姫命は養蚕の守護神であるともされ、「養蚕守護」のお札が配布されました。5月5日の例大祭(初申祭)や、寒の入りから最初の申の日に行われる寒申祭(お寒申)は、養蚕守護の祭りとして多くの人々が参詣しました。
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・由緒:日本武尊(やまとたけるのみこと)が東方遠征の際、北口本宮冨士浅間神社よりやや南にある大塚丘(おつかやま)にて富士山を遥拝したことが社記に記される。富士山の遥拝地であったこの場所に浅間神社が勧請され、次第に境内が整備された。
・社殿の造営と郡内領主:東宮本殿は、1561(永禄4)年に造営された最初の本殿。歴代の郡内領主の崇敬を集めた当社は、文禄3(1594)年に浅野氏重が東宮に替わる本殿として西宮本殿を、元和元(1615)年には西宮に替わる現在の本殿を鳥居成次が造営した。慶安2(1649)年には秋元富朝も修復を行っている。
・大鳥居:境内の朱塗りの大鳥居には「三国第一山」の扁額が掲げられ、富士山そのものを御神体として拝していることを示している。この大鳥居は60年ごとに新しくされ、その都度大きくされてきた。
・吉田の火祭:毎年8月26、27日の2日間、北口本宮冨士浅間神社とその摂社である諏訪神社で行われる富士山の山じまいの祭り。8月26日の夕暮れ時、北口本宮冨士浅間神社、諏訪神社を出発した神輿が御旅所に到着すると、町中で大松明が焚き上げられる。また翌27日は氏子がすすきの玉串を持ち、二基の神輿の後を巡廻する、還幸祭が行われる。

〈参考資料〉
「富士参詣の道を往く-富士山道」
https://www.pref.yamanashi.jp/fujisan/documents/publicity_materials/documents/fujisanmichi-omote.pdf
「富士山と養蚕」(山梨県立富士山世界遺産センター 令和2年度冬企画展リーフレット)
https://www.fujisan-whc.jp/archive/documents/r2leaflet2.pdf
『富士講のヒミツ』(ふじさんミュージアム、2015)
境内解説版

〈参考サイト〉
吉田の火祭り
https://www.mfi.or.jp/himatsuri/

御朱印もらえます

※情報は制作時のものであるため、実際の訪問の際には事前にご確認ください。

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