秋元時代の文化財を受け継ぐ古刹

元々は別の場所に観世音菩薩を祀る円通庵としてありましたが、1633(寛永10)年に谷村藩主となった秋元泰朝の希望で現在地に移転、曹洞宗に改宗しました。三代にわたって郡内を治めた秋元時代の建造物が円通院には多く残っており、なかでも梵鐘と石橋は都留市の指定文化財になっています。
石橋はかつて家中川に架けられていた5つの橋、通称「五石橋」の一つ。五石橋は昭和になってから次々に壊され、現在は円通院の池に移築された「元坂の石橋」だけが復原され、当時の面影をとどめています。
梵鐘は1686(貞享3)年に、日光東照宮(栃木県日光市)にある徳川家康の墓所の鋳造も手掛けた有名な鋳物師によって鋳造されたもの。戦時中は多くの鐘が武器に再生産されるなか、徴収を逃れた数少ない鐘の一つです。
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・仏像など:二階建ての山門は1748(延享5)年に建てられたもので、江戸初期につくられたとされる木造二天王像が左右に安置されている。観世音菩薩は現在も本堂内に安置されている。本堂にある杉の板戸は、江戸前期に狩野派の流れを汲んだ絵師によって描かれたものではないかと考えられている。
・都留七福神巡り:都留七福神巡りの一つで、布袋尊が祀られている。都留七福神は1本の御神木から切り出され、市内にある曹洞宗の7寺院で公開されている。
・寺の周辺:円通院の近所には、以前、捺染工場があった。

<参考資料>
『谷村路-山梨県歴史の道調査報告書第11集』
『つるさんぽ-「都留市を歩こう!」おさんほガイドブック』P3
https://www.city.tsuru.yamanashi.jp/material/files/group/11/t-walk.pdf
現地解説版
「日本歴史地名大系」

<参考サイト>
都留市観光協会「円通院」「都留七福神」
https://tsuru-kankou.com/enzuin/
https://tsuru-kankou.com/tsuru-shichihukujin/
都留の社記・寺記(都留市立図書館)
https://www.lib.city.tsuru.yamanashi.jp/contents/shaji/index.htm

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※情報は制作時のものであるため、実際の訪問の際には事前にご確認ください。

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