裏山から富士山と城下町を一望

都留市駅近くの国道139号を1本山側へ入った古道は、城下町の名残が漂う寺町通り。浄土宗西凉寺、浄土真宗専念寺、日蓮宗東漸寺などが並んでいます。
東漸寺や専念寺の裏山に登ると、真正面に富士山を、眼下に都留市の街並みを広く見晴らせ、谷村のまちづくりは富士山を基軸に行われたことがわかります。
西凉寺の境内にある儀秀稲荷社は、1949(昭和24)年の谷村町大火で奇跡的に焼け残ったことから、毎年5月13日、儀秀講により厄除けの祈願祭が行われています。
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・森嶋其進の墓:専念寺には森嶋其進の墓がある。其進は、山梨県の歴史を知るために欠かせない資料である『甲斐国志』の編纂にあたり、郡内での責任者を務めた人物。森嶋家も郡内織販売商を営んでいた。
・庭園:専念寺は本堂裏の庭園も美しい。とくに秋の紅葉シーズンがおすすめ。
・甲州一揆の題目塔:東漸寺には1836(天保7)年の甲州一揆に関わった地区の名前が刻まれた題目塔と、農民のための鎮魂碑が立っている。天明の飢饉に次ぐといわれる全国的な凶作のなか、郡内領では疫病も流行して餓死者が跡を絶たなかった。そうした中、甲州街道沿いの村々の農民は決起して笹子峠を越え、甲府盆地の米穀商や豪農を打ち壊した。この一揆は郡内地方から発生し甲斐国全域に広まったため、「郡内騒動」とも言われる。
・イボ地蔵様:西凉寺の裏山には歴代住職の墓が並ぶ。左から8番目の墓は「イボ地蔵様」と呼ばれ、墓前の水鉢に溜まった水をつけるとイボがとれるといわれている。

<参考資料>
『谷村路-山梨県歴史の道調査報告書第11集』
『つるさんぽ-「都留市を歩こう!」おさんほガイドブック』P3
『図説 山梨県の歴史(図説 日本の歴史19)』(1990、河出書房新社)
『日本歴史地名大系』

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