江戸時代後期の典型的な甲州民家

江戸時代の上於曽村で代々伊兵衛を名乗り、長百姓(おさひゃくしょう)を務めてきた高野家の住宅です。高野家は8代将軍徳川吉宗の時代、薬草の甘草を栽培して幕府に納めていたことから、その居宅が「甘草屋敷」と呼ばれてきました。
もとは茅葺きで(現在は保存のため銅板葺き)、切妻造の屋根に「ケブダシ(煙出)」と呼ばれる2段の突き上げ屋根が設けられているのが特徴です。甲府盆地の東部地域に分布する民家の典型として、主屋、附属屋5棟、宅地などが国の重要文化財の指定を受けています。
毎年2月11日~4月18日に催される「甲州市 えんざん桃源郷 ひな飾りと桃の花まつり」では、江戸から昭和の各時代のひな人形とつるし飾りが甘草屋敷に展示されます。
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甘草:甘味料や調味料として使われるほか、古くから漢方の生薬として重宝されてきました。高野家が幕府に納めていたのはウラルカンゾウで、この甘草栽培によって年貢・諸役の免除という特典を受けていました。現在、甘草屋敷に残る甘草の起源は340年前に遡るといわれ、日本で最も古い株として知られています。

<参考資料>
『甲州市歴史的風致維持向上計画』
『歴史の道調査報告書』青梅街道

<参考サイト>
甲州市「旧高野家住宅 (甘草屋敷)」
https://www.city.koshu.yamanashi.jp/map/info/2021011400298/
富士の国やまなし観光ネット「ひな飾りと桃の花まつり」
https://www.yamanashi-kankou.jp/koshu/event/hinakazari-momofes.html

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