能成寺(のうじょうじ)

室町時代に開かれ「信玄のおふれ」が残る寺院

「甲府五山」の一つで、室町時代の貞和年間(1345 - 1350年)に、信玄の高祖父に当たる甲斐武田家15代当主の武田信守(生年不詳 - 1455年)が、禅僧である業海本浄(ごっかいほんじょう)を開山に迎え開基しました。開山当時は笛吹市八代にあり、その後甲府市西青沼を経て、現在の地に移ったと伝わります。
寺院には1542(天文11)年12月12日の日付が書かれた武田家制札や、1591(天正19)年4月5日の日付が書かれた甲斐国の領主加藤光泰の禁制などの古文書が残されています。境内には赤穂浪士・大野九郎兵衛のものと伝えられる墓所や、松尾芭蕉の「名月や 池を廻りて 夜もすがら」の句を刻んだ碑などがあり、例年4月中旬から5月上旬には、ボタンの花が見頃となります。
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甲府五山:現在の甲府市に位置する長禅寺、東光寺、能成寺、円光院、法泉寺の5寺院を指します。1814(文化11)年成立の『甲斐国志』には、「甲府五山」や「府中五山」の記述がみえ、武田氏時代に由緒を持つ臨済宗妙心寺派(関山派)の5つの寺院が、近世以降「甲府五山」として受容されていったとみられています。通説では、武田信玄が最上の寺格を示す五つの寺院を定めた京都や鎌倉の五山制度にならい定めたとされますが、当時の資料からは確認できません。だたし、武田氏時代にこれら寺院の整備が行われたことは事実です。いずれの寺院も、武田氏親族の墓があるなど武田氏と深いかかわりがあります。

武田信守:甲斐武田家第15代当主の武田信守(生年不詳 - 1455年)は、父である信重の没年に家督を継承しますが、在位はわずか5年であったようです。この頃、甲斐国では守護職である武田氏を横目に、甲斐源氏の係累、小笠原氏の分流であった跡部氏が、守護代として権勢を振るっていました。

<参考資料>
『やまなしのお寺と神社』

<参考サイト>
山梨の歴史を旅するサイト「能成寺」
https://www.yamanashi-kankou.jp/rekitabi/jisha/spot/008.html
甲府観光ナビ「能成寺」
https://kofu-tourism.com/spot/35
能成寺
http://www.eps1.comlink.ne.jp/~nojyoji/

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※情報は制作時のものであるため、実際の訪問の際には事前にご確認ください。

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