鎧堂観音(よろいどうかんのん)

甲斐源氏の始祖を救った観世音菩薩

本尊である十一面観世音菩薩(鎧堂観音)は、甲斐源氏の始祖である新羅三郎義光が自らの甲冑とともに鎧堂に祀ったものです。
奥羽の大乱(前九年の役1051-62、後三年の役1083-87)で兄の義家が劣勢に立たされた際、義光はこの観世音菩薩を携えて援軍に赴いたところ、異形の猛将が現れて義光を擁護したと伝えられています。
かつては馬を守護する観音としても厚く信仰され、初午(はつうま・立春後初めての午の日)と二の午には佐久方面からも多くの信者が集まりました。とくに初午の日は露店、芝居小屋、見世物小屋などが並んで大いに賑わったといいます。
棒道からはやや逸れますが、立派な本殿と馬が描かれた絵馬は一見の価値ありです。
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・十一面観世音菩薩:通常の姿のほかに十一面の顔を持っています。前の三面は慈悲の相、左の三面は怒りの血相、右の三面は賛嘆の相、残りの一面は暴悪大笑の相、頂上の仏面は悟りを開いた仏の相。さまざまな相で人々の苦を除き、楽を与えて、仏道に向かわせるとされています。
・初午:馬祭りともいわれた行事。馬の尾に注連を結び、鈴を付けて着飾らせ、1年の馬の安全と無病息災を祈願しました。

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